[湯船]
イザナ :
湯気が立ち、視界は白粉を塗されたように真っ白に
熱い熱湯に身を預け、呑気に伸びをするには丁度いい晴天の日
[湯船] イザナ : 露天風呂でのんびりと……などと考えたが、どうにも温泉街が騒がしい
[湯船]
イザナ :
「(……日を改めるべきだったかな)」
などと思いながら、縁に腰掛けている
[湯船] アルティメットセンパイ : …ぶくぶくぶくぶく。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「ねー見て!どーよ!どーよこれ!」
[湯船] アルティメットセンパイ : そう言ってイザナの前に飛び出す。
[湯船] イザナ : 「なんだ、急に……!?」
[湯船] アルティメットセンパイ : まるで一見何も身に着けてないように見えるが…
[湯船] アルティメットセンパイ : その両腕には左右3つずつの時計が。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「見てよ見てよこれ!防水なんだってすごくない?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「こんな温泉につけても動き続けてるんだよ~中古で安く買えてよかった~~」
[湯船] イザナ : 「……予備に一個持つにしろ、パーツ取りに3個持つにしろ、買いすぎではないか?」
[湯船]
イザナ :
真っ白い肌に、虎を連想するような勇ましい色合いの髪
そんな相手が飛び出してくれば、燃えるナニソレも期待したくなるの……だが
[湯船] イザナ : まるで子供のように微笑ましい様子に、気が抜けて少し微笑む
[湯船] アルティメットセンパイ : 「え~でもなんかまとめ買いでお安くしてくれたんだよ!最近は凄いねえ~」
[湯船] アルティメットセンパイ : がはは、と豪快に笑う。
[湯船]
イザナ :
「(……在庫処理、か)」
適当にあたりを付けると
[湯船]
イザナ :
「しかしな、そんな無垢な姿で飛び出すものではないぞ?」
「恐ろしい野獣が相手になるかもしれん」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「野獣~?そんなものこんなところに出てくるわけないじゃん!温泉街大騒ぎだよ!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「いいじゃんいいじゃん、風呂ぐらいあけすけになったってさぁ~」
[湯船]
イザナ :
「あー……いや、まあいいか」
「不埒な目的で温泉に入る阿保を前提に考えろというのもなんだ」
[湯船] イザナ : 「お前はそのままでいろ、ただ……今の格好を全く目を逸らさず見るような奴には注意しろよ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「何それ~別に見られて減るもんじゃないしさあ~!あ、時計はただではあげないよ?」
[湯船] アルティメットセンパイ : イザナの隣にあぐらをかいて座る。
[湯船]
イザナ :
「まあ、時計は好きにするといい」
隣に座ると、また視線を合わせていく
[湯船] アルティメットセンパイ : 「何見てんの~?」
[湯船]
イザナ :
「目を合わせているだけさ」
他意などない、あるかもしれんがない
[湯船] アルティメットセンパイ : 「…あ、もしかして…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 下を見て。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「ふ、太ったとか言わないよね!?」
[湯船] イザナ : 「いや、依然と変わらず丁度いい肉付きだ。安心しろ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「痩せてもないってことじゃん!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「これでも努力してんだよ!週に1回は散歩してるしこの前は作るのめんどくさかったからいつ買ったかも分からないハンバーガー食べてお腹下してたりしてたし!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「痩せてると思ったのになぁ~~~」
[湯船]
イザナ :
「……今度、生活を指導するべきか」
頭を押さえながら大きくため息をつく
[湯船] イザナ : 「……だが、まあ」
[湯船] イザナ : 「今のままでも、お前は充分人を惹きつける魅力はあると思うぞ?」
[湯船]
イザナ :
「それともなんだ、所謂恋の乙女修行と洒落込んでいるのか?」
「このイザナお姉さんに聞かせてみろ、笑らわないから」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「こここ恋!?!?!?べべべ別にそんなのないし!はー!?何言ってんの!?」
[湯船]
イザナ :
「(図星か、それとも純情極まるウブなのか……)」
「(なんにせよ可愛らしい反応だな、この恥じらいを普段から……)」
[湯船]
イザナ :
「……いや、お前はそのままでいいか」
ニヤリと笑う
[湯船] アルティメットセンパイ : 「どうしたの急に笑って!?なんか怖いよ!」
[湯船] イザナ : 「いや、さっきまで男子小学生みたいな行動に出たお前が、一丁前に恋をしていると思うと微笑ましくてな」
[湯船] イザナ : 「思わず慈愛の笑みが溢れたのだよ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「むっきー!なんだか上から目線に見られている…!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「そういうあんたはどうなのさ!じゃあ!」
[湯船]
イザナ :
「ふっふっふ、イザナお姉さんはもちろん恋バナの種などいくらでも……」
自信満々に答え……
[湯船]
イザナ :
「い、いっくら……でも」
ようとして言葉に詰まり続ける
[湯船] アルティメットセンパイ : 「いくらでも~??その次は~~??」
[湯船] アルティメットセンパイ : 顔を近づけて言葉を待つ。
[湯船] イザナ : 「……バカな、数ピー年の人生の中で、甘い展開が完無だっただと!?」
[湯船] イザナ : 「いや、待て記憶を絞れ………そうだ、昔営業のOLと……彼女にはこっぴどくフラれたんだった」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あっはっは!なっさけな~い!」
[湯船] 清水谷竜華 : ガララ、と銭湯内のガラス戸が開かれ……。
[湯船] 清水谷竜華 : 「おぉ~~~!広いなぁ~~~」
[湯船] イザナ : 音に合わせて振り返る
[湯船] 小路綾 : 「う、ぅぅう……さぶいわ……」
[湯船] 清水谷竜華 : 「お、しかもこれ……ウチら2人の貸し切り……あ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「ねーねー…!ってあれ?」
[湯船] 清水谷竜華 : じゃあらへんかったわ。
[湯船] アルティメットセンパイ : 目が合う。
[湯船]
小路綾 :
それに合わせて、後ろからのそのそと。
一時とは言え、裸になっているためか。
[湯船] 清水谷竜華 : イザナとセンパイを見て。
[湯船] 小路綾 : 「……む…他にも人、いるみたいね」
[湯船] 清水谷竜華 : 「あ、二人も来とったんですか!」
[湯船] イザナ : 「ああ、お前達か」
[湯船] 小路綾 : 「ざんね……んん!!じゃなかった、こんにちわ、二人とも!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あれあれなんで?なんでいんの?」
[湯船] イザナ : 「なんだ、二人きりが良かったのか?」
[湯船] 清水谷竜華 : ……ははぁ、距離が近うて……仲がええなぁ。
[湯船] 小路綾 : 慌てて言葉を飲み込み、知人へと挨拶を。
[湯船]
清水谷竜華 :
「なっ!?別に、ウチらはそういうアレじゃあらへんもんな??」
咄嗟に綾の方を見て。
[湯船]
イザナ :
「ほら、向こうの岩陰は入り口からは死角で評判がいいぞ?」
遠くの岩を指さす
[湯船] 小路綾 : 「いやいや……!?その、アレよ!…そちらの邪魔したら悪いって……!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「そういうアレってどういうアレだよ~ほれほれ~」
[湯船] アルティメットセンパイ : にたにた笑って。
[湯船]
清水谷竜華 :
「あ、ウチらはこの連休を使うて、旅行に来たんです~」
センパイに、一礼。
[湯船]
小路綾 :
竜華へとうな………
ずく前に、ちょっと迷って。
[湯船] 清水谷竜華 : イザナさんにセンパイの2人は、大人。
[湯船] 小路綾 : 「………そういうアレ、って何かしら…」
[湯船] 小路綾 : 真面目に考え込む。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「旅行~!あんたたちもか~!」
[湯船]
清水谷竜華 :
「え゛」
……そういう、アレ……の意味……。
[湯船]
イザナ :
「そりゃお前」
「所謂アペックだろう」
[湯船] 清水谷竜華 : 「い、いやぁ……ほら、アレですよ~…………」
[湯船] 清水谷竜華 : 「っ!」
[湯船] 清水谷竜華 : アペック、という発言に、体がビクリと跳ねる。
[湯船]
小路綾 :
……そういう、ってのは……友達とか…?
…あるいは……
[湯船] アルティメットセンパイ : 「アベックって…今どきの子使わないよ…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「まあこういう温泉には雰囲気が合うのかもしれないけどさ!」
[湯船] 清水谷竜華 : 「あ、あはは~!イザナさん御冗談を~……やってウチら、女同士ですやん?」
[湯船] 小路綾 : 「……アベック…!?え、その……カップル、的な……!?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「なんだか、隠れ宿的な感じでね?」
[湯船] 小路綾 : どうにか聞いたことのある言葉を思い出す。
[湯船] イザナ : 「ああ、そういう意味だ」
[湯船] 小路綾 : 「ほわ」
[湯船]
清水谷竜華 :
「か、隠れ宿って、そんな……」
少し顔が赤くなりつつも。
[湯船] イザナ : 「この旅館の話か、隠れ宿とは言い当て妙だな」
[湯船] 小路綾 : かぁああああ~~、と温泉に入ってもいないのに顔が真っ赤に。
[湯船] 清水谷竜華 : 「も、もぉ~!!2人ともウチら揶揄うのよしてくださいよ~!!」
[湯船]
イザナ :
「ハッハッハ、すまんすまん」
「詫びにいい話を聞かせてやるよ」
[湯船] 清水谷竜華 : そうして、シャワーで軽く体の汚れを落としていき……。
[湯船]
清水谷竜華 :
「……?」
ええ話?なんやろ。
[湯船]
小路綾 :
「え、あ……本当に違うからね!!のーのー!!うぃーあーふれんど!!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「いや~あたしはさ~イザナにTシャツ借りに言ったらいつの間にかここ来てたんだよね~有名なのかな?ここ?」
[湯船]
アルティメットセンパイ :
「いい話!?」
お目目キラキラ。
[湯船]
清水谷竜華 :
………んぐ。
やっぱ綾に否定されると、なんか……来るもん、あるわぁ……。
[湯船] 小路綾 : と言いながら、慌ててシャワーを浴びる。
[湯船]
イザナ :
「ああ、有名だとも」
「(まあ、この伝説も絶えて久しいが)」
[湯船]
小路綾 :
……だって、そうだって認めたら……ごにょごにょだけど。
誤解とか、他の人に、とか……色々問題あるじゃない、ええ…
[湯船] 小路綾 : ……自分のことながら…憶病ね。
[湯船] 小路綾 : 思いながらも、イザナへと目線をやる。
[湯船]
イザナ :
「この旅館には言い伝えがあってな」
「要するに縁結びの神の話なのだが……ちょっと変わり種でな?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「すごい 連れてこられたのに全く聞いたことがない話だ」
[湯船]
清水谷竜華 :
「……縁結び……」
その言葉を、ぽつりと呟き返す。
[湯船] 小路綾 : 「……縁結び?」
[湯船]
清水谷竜華 :
何故だから、指先に力が入ってしまう。
なんやウチ、ちょっと期待してもうてるんか……?
[湯船] 小路綾 : ……でも私たち、十分に仲いい……わよね…うん
[湯船]
イザナ :
「ああ、友情、親愛、恋、愛、性欲」
「幅広い話があるが……ここは割愛して、昔話に移ろうか」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「ちょっといろいろ聞き捨てならなかったけど!?」
[湯船]
清水谷竜華 :
「…………」
湯船に浸かり、真剣な表情で、イザナの方を向く。
[湯船]
イザナ :
「むかし、むかし、まだ温泉が湧き出──」
「なんだ騒がしい!」
[湯船] 清水谷竜華 : 「あ、あはは…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あ、ごめん…」
[湯船] 清水谷竜華 : ほんまイザナさんとセンパイは、ええコンビやわぁ~……。
[湯船]
小路綾 :
「……あはは……」
じゃあ、と汗やなんだと色々を流し。
[湯船]
イザナ :
「……いや、そうへこむな」
「こちらもそう怒ってるわけではなくてだな」
[湯船]
小路綾 :
つぷん、と足を入れ、体前進をなじませるように漬からせる。
竜華と同じ湯舟へ。
[湯船] 小路綾 : ……なんだか近く寄っちゃったわね、気にしてない…わよね?
[湯船]
清水谷竜華 :
そんな2人のやり取りを見て、お互いに気遣い合う姿に、なんだか心が温かくなる。
もちろん、この温泉経由の湯の温かさもあるのだが、それ以上に、身に染み渡るものがある。
[湯船]
清水谷竜華 :
……あ。
綾が、隣に……って、わ、わわわ。
[湯船] 清水谷竜華 : つい、視線を逸らしてしまう。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「いいよ~続けて~」
[湯船] アルティメットセンパイ : 湯船に沈む。
[湯船] 清水谷竜華 : ………綺麗な、肌やわぁ。
[湯船] イザナ : 「……では、昔話の続きだ」
[湯船]
清水谷竜華 :
「……!は、はい!」
イザナの方を向いて。
[湯船] 小路綾 : ……それにしても、竜華とは色々と違うわよね……むう。
[湯船]
小路綾 :
対照に、竜華へと目線をやりながら。
イザナの話へと耳を傾ける。
[湯船]
イザナ :
「昔、ここには二人の女が流れ着いた」
「一人は生業に嫌気がさした娼婦、もう一人はその幼馴染」
「追ってに追われ続け、遂にはここまで逃れたが……凍え死にそうな有様だった」
[湯船] アルティメットセンパイ : ぶくぶくぶくぶく。
[湯船]
イザナ :
「そして、幼馴染がもう一人の為神へと祈れば」
「雷が落ち、目を開ければ湯が沸いた……とか」
[湯船]
清水谷竜華 :
……2人の、女の人……。
……幼馴染……。
[湯船] 清水谷竜華 : ちらりと、綾の方を一瞥するも、またイザナの方へ戻し。
[湯船]
小路綾 :
ふむふむ、と頷きを繰り返し。
真剣に、真剣に。
[湯船] 清水谷竜華 : 「おぉぉ……!ほなそれのおかげで、凍えずに済んだわけですね!」
[湯船] アルティメットセンパイ : ぶくぶく…
[湯船] イザナ : 「……でまあ、ここで終われば愛が奇跡を生むハッピーエンドなのだが、昔話とはえてして教訓の為碌でもないオチがつきものでな」
[湯船] イザナ : 「おい、なんでずっと沈んでいるんだお前は」
[湯船] 小路綾 : 「じゃあ……二人は祈りの力として助かった、愛の物語ってわけね……!」
[湯船]
清水谷竜華 :
「………まぁ、そうですよね」
人生は、何でも上手くいくようにできておらん。
[湯船] 清水谷竜華 : 人間もそや、幸せの形が、必ず実るもんじゃない。
[湯船] 清水谷竜華 : 「……セ、センパイ~?のぼせたんとちゃうか……?」
[湯船] 清水谷竜華 : 心配そうに。
[湯船]
小路綾 :
「……え、あら…そうなの…?」
…あれで終わり、だと思っていたのに……
[湯船] アルティメットセンパイ : ぶくぶくぶくぶく…
[湯船] GM : いきなり、綾は何かにくすぐられたかとても擽ったい感覚に苛まれる
[湯船] イザナ : 「でまあ、ここから割と長いので要約するんだが」
[湯船] 小路綾 : 「…そうなのね、ざんね……ふひゃああ!?!?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「だーはっはっは!」
[湯船]
清水谷竜華 :
「!?!?」
咄嗟に綾の方を見て。
[湯船] アルティメットセンパイ : バシャリ
[湯船] 小路綾 : 肩を落としていたが、足もとの感覚にぴょいんと跳ねる。
[湯船] 小路綾 : 「ふわ、え、なになになにぃ!?」
[湯船] イザナ : 「……おい、竜華」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「どうだ~~~???効いたろ~~~???」
[湯船] 清水谷竜華 : 「え!?」
[湯船]
イザナ :
「やるなら向こうでやれ」
岩陰を指さす
[湯船]
清水谷竜華 :
「ちょ、え!?!?」
あせあせ。
[湯船] 小路綾 : 慌ててあたりを見回………あ!
[湯船] 清水谷竜華 : 「これウチの仕業とちゃうというか……てか!センパイやろこれ~!!!」
[湯船]
アルティメットセンパイ :
仁
王
立
ち
[湯船] 小路綾 : 「……せ、センパイがやったんですか……!?」
[湯船]
イザナ :
「なんだ、お前か」
[湯船] 清水谷竜華 : んなっ……!?堂々と……!?
[湯船] アルティメットセンパイ : 「せっかく温泉にまできて堅苦しい顔すんなよ~!」
[湯船] 小路綾 : タオルもはだけ、はあはあと竜華へと身を寄せる。
[湯船]
イザナ :
「……まあ、確かにな」
「もっとこう、なんだ」
[湯船] 小路綾 : 「び、びっくりしたじゃないの!!もおお~~~!!!」
[湯船] 清水谷竜華 : 私は、何故だか体が勝手に動き、綾の体を抱き締めていた。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あっはっはっはっは!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「…ってあれ?」
[湯船] 清水谷竜華 : 綾の異常事態を守るために、脳が判断を下す前に動いていたみたいだ。
[湯船] イザナ : 「せっかくの風呂だ、ここは親睦を深めるべきだ……って、今度はなんだ」
[湯船] 小路綾 : 「ふぇ、あ………あ、りゅ……竜華……?」
[湯船] 清水谷竜華 : 「……って、あ、ご、ごめん!?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「…ねえねえイザナ、あれってやっぱり?」
[湯船]
小路綾 :
抱き締められる形になり。
肌と肌が密着して。
[湯船] 清水谷竜華 : 慌てて手を離し、綾と少し距離を離す。
[湯船] 清水谷竜華 : あわわわわわわわわわわ。
[湯船] イザナ : 「そりゃお前、アペックだよ」
[湯船] 小路綾 : ……え、あ……竜華と、すっごく…ちっかく……!?!?
[湯船] 小路綾 : どきどきどきどき。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「アベックは古いし発音もおかしい!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「…でもそうなのかな~どうかな~??」
[湯船]
清水谷竜華 :
脳がバグ状態。熱くて熱くて仕方あらへん。
真っ白。心臓のバクバクが痛い。
[湯船] 小路綾 : また顔が真っ赤へと、果実のように赤く実る。
[湯船] 小路綾 : 「ぶくぶくぶくぶく………」
[湯船]
イザナ :
「細かいことは気にするな」
「みろ、目の前に二人を……あんな純情に恋を謳歌できるならしたいものだ」
[湯船] 清水谷竜華 : 「なぁっ!?だ、だからそういうのとちゃいますって~!?あとさっきも言うたように!ウチら女同士っていうか……!」
[湯船] 清水谷竜華 : 「それよりも!」
[湯船] 清水谷竜華 : イザナを見て。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あーやっぱそんな感じかー」
[湯船] イザナ : 「私などああなれば、ちちしりふとももー!などと叫ぶ獣になりかねんぞ」
[湯船]
清水谷竜華 :
「さっきのお話に続き!気になります!」
話を逸らすように……。
[湯船] 小路綾 : 「……そう言うのとは違う……え、ええ…そうね」
[湯船]
小路綾 :
慌ててそれを振り払うように。
[湯船]
アルティメットセンパイ :
「ちょっとそれは欲望に忠実だね…」
獣?という言葉に引っかかるも
[湯船] イザナ : 「うむ、いいものだ健全なエ……ああ、話しがそれたな」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「そうだ話話!」
[湯船] 小路綾 : でも、なんだか……もやもやする。
[湯船] 小路綾 : イザナへと目線を送る。
[湯船]
イザナ :
「それで、言ってしまえば幼馴染は元娼婦の娘が事が好きだったのさ」
「熱情に任せて、山向こうまで攫って来てしまう程度にはな」
[湯船] 清水谷竜華 : 「! わ、わぁ……」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「へ~!攫うなんてこわいね~!」
[湯船] 清水谷竜華 : 「そ、それは……すっごく情熱的、ですね……」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「その点連れてきてくれたイザナは優しいなあ!」
[湯船] 小路綾 : 「へえ……いいラブロマンスね……!!」
[湯船]
イザナ :
「愛しい女が毎夜毎夜組み伏せられているのだ、燃え盛る何かがあったのだろうよ」
「まあ、比較はできんさ」
[湯船] 小路綾 : 真っ赤になった顔を隠すように、顔の前にタオルを掛け。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「何って何さ~!全く~!」
[湯船]
イザナ :
「で、悲劇の始まりはここからだ」
「ある日、幼馴染の少女が、愛しい奴を見つめていると……」
[湯船] 清水谷竜華 : ごくり、と唾を飲みこむ。
[湯船]
小路綾 :
「…悲劇……」
そうだった、わね……
ハッピーエンドで終わらないのが、この話……
[湯船]
イザナ :
「まるで抜き取られたかのように、愛情が消え始めていたのさ」
「これはまあ、種を明かせば単純だ。祈りが原因だよ」
[湯船]
イザナ :
「女が神へと捧げたのは確かに祈りだ」
「だが、祈りにだって中身はある」
[湯船] イザナ : 「そいつが祈りの内へと込めたものなど、察しがつくだろう?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「なるほどなー」
[湯船]
イザナ :
「好きな女が凍えている」
「己のせいで死にかけている」
「そんな現状を絶対許せない、なによりも熱い感情」
[湯船] イザナ : 「愛だよ」
[湯船] 清水谷竜華 : 「ぁ……………」
[湯船] 小路綾 : 「………まさか、それを燃料にして……」
[湯船] 清水谷竜華 : 愛しい人を救うために、愛を捧げた……。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「燃え上る…!」
[湯船] 清水谷竜華 : 「…………全部、等価交換……なんですね……」
[湯船]
イザナ :
「そういうわけさ、最も」
「話では温泉以外にもいろいろ願っていたようだが」
[湯船] イザナ : 「ああ、間違いなく」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「強欲だなー」
[湯船]
小路綾 :
……自己犠牲で、命を救った…
けど、その対価はあまりにも…
[湯船] 小路綾 : 「……そ、う…なのね…」
[湯船] イザナ : 「で、最後には愛を失った自分が許せず幼馴染は姿を消す」
[湯船] 清水谷竜華 : 「……………そんなの、報われてないやないですか……」
[湯船] 小路綾 : しゅん、と曇り顔になる。
[湯船] 清水谷竜華 : 湯の中で、拳を、きゅっと握る。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「悲しい話だねー!」
[湯船]
小路綾 :
温かさか、何やらで。
感情移入してしまったのか、その目にはぐず、と涙交じりに。
[湯船]
清水谷竜華 :
「あ……」
そんな綾の表情を見て……湯の下で、そっと手を動かし……。
[湯船] アルティメットセンパイ : ありゃりゃ…
[湯船] 清水谷竜華 : 綾の手の甲の上に、そっと自分の手を、重ね合わせる。
[湯船]
イザナ :
「そして、元娼婦の女は温泉へ土を運び埋めようとする」
「丘を崩して、岩を運んで」
「必死に何度も固め、返すから、帰せと願ったが……」
[湯船] 小路綾 : ……あ……。
[湯船]
清水谷竜華 :
綾に、ニコ、と笑い。
また、イザナの方へ視線を戻し。
[湯船]
イザナ :
「いつまでも、いつまでも」
「温泉は湧き続けたとさ」
[湯船] 小路綾 : 湯船の熱とは違った、人肌の…温かさ。
[湯船] 清水谷竜華 : 「…………」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あー…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「まあでもさ…」
[湯船] イザナ : 「一見美談だが、要するに……ん、どうした?」
[湯船]
小路綾 :
ぎゅ、と。
指先同士を、絡め握り合わせる。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あたしはあんま出来のいい人間じゃないからさー」
[湯船]
清水谷竜華 :
そうして、空いた手で、この温泉の湯を掬い取ってみて。
手の隙間から零れ落ちて行く、その暖かな感触に、感傷的になる。
[湯船] 小路綾 : …ちょっと…怖くなっちゃったから…。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「他人の愛情であったまれるならそれでいいんじゃね?って思っちゃう」
[湯船] イザナ : 「まあな、所詮御伽噺だ」
[湯船] 小路綾 : 「……それはそうなんだけど……なんだか…ちょっと、可哀想だわ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「しかも熱って伝播するじゃん!」
[湯船]
清水谷竜華 :
「………っ……」
握り締められたことに……嬉しさを、感じる。
……湯の下なら、誰にも見られていないから……。
そのまま、綾の手を、握り返す。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「その愛情がほらほら~今にでも移ってるかもしれないよ~??」
[湯船] 清水谷竜華 : 「……あはは、センパイは、ほんまセンパイらしいですね」
[湯船] アルティメットセンパイ : にたにた。
[湯船] 清水谷竜華 : 「……え」
[湯船]
小路綾 :
ぽつり、ぽつりと。
……あ、握り返してくれた…… 嬉しい…かも…。
[湯船] 清水谷竜華 : センパイを見て、若干顔が引き攣る。
[湯船] 清水谷竜華 : 「……あ、あはは~」
[湯船] 小路綾 : 「……愛情、あい……はっ!」
[湯船] 清水谷竜華 : 誤魔化すように笑う。
[湯船] アルティメットセンパイ : ぶくぶくぶく…
[湯船] イザナ : 「では、この話の教訓を解説すると…」
[湯船] 小路綾 : 「ち、違うわよ!?そんな、竜華へのそんなものが伝わってたなんて…そんな、そんな!」
[湯船] 小路綾 : 「そそうね、教訓教訓!」
[湯船] GM : すると、湯の下繋がれていた手がぐっと持ち上げられる
[湯船] イザナ : 「愛情を無くす前に、きちんと伝えることが大事だな」
[湯船] 清水谷竜華 : 「……!?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「どっしゃい!」
[湯船] イザナ : 「さもないと永遠に後悔するぞ」
[湯船]
小路綾 :
誰とも、何とも言っていないのに自分で否定し。
慌てて顔を真っ赤にして、湯船に……
[湯船] 小路綾 : 「えっああ!?」
[湯船] 清水谷竜華 : 「おわァァアアア~~~~~~~っ!?!?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「…ってあら、なんで繋いでんの」
[湯船] 小路綾 : 挙げられたのは、繋がれた2人の手。
[湯船] 清水谷竜華 : 「あ、あーー、こ、これは、ちゃうんよ!!ほら!!!」
[湯船] 小路綾 : 「あ、あああ……そ、その……」
[湯船] 清水谷竜華 : 咄嗟の出来事に、体は硬直したまま、綾の手を握ったまま。
[湯船] アルティメットセンパイ : きょとん、とした顔で。
[湯船] イザナ : 「……ふむ」
[湯船]
清水谷竜華 :
「……………」
そんな中、イザナの顔を見て……。
[湯船]
イザナ :
「行くか?」
向こうの岩陰を指さす
[湯船] 小路綾 : 「…ちょっとセンチになっちゃって、竜華が握ってくれたのよ!!」
[湯船]
清水谷竜華 :
────愛情を無くす前に、きちんと伝えることが大事だな
───────さもないと永遠に後悔するぞ
[湯船] アルティメットセンパイ : 「お、優しいね~~」
[湯船] 小路綾 : あわあわあわ、と空いた手で振りながら。
[湯船] 清水谷竜華 : その言葉が、頭の中で、再生されて……。
[湯船]
小路綾 :
「行かないわよ!」
ぶんぶん。首を振る。
[湯船]
清水谷竜華 :
「………」
今度は綾の手を、ぎゅっと握ったまま、離さず。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「ん…あれ…?」
[湯船] 小路綾 : 「竜華ももう………」
[湯船]
清水谷竜華 :
ウチの、想いを、伝える、こと……。
………ウチの、想いって……それは……。
[湯船] 小路綾 : 大丈夫、といいかけてとまる。
[湯船] 清水谷竜華 : ……でも、それは………伝えてしまったら、きっと、全て崩れてしまうかもしれないもの。
[湯船] アルティメットセンパイ : 何!何!?何この空気!?あたしなんかやらかした!?
[湯船]
小路綾 :
……竜華と結ばれた手が、そして彼女の顔が。
なんだか、想いが籠っていたような気がしたから。
[湯船]
清水谷竜華 :
……危険な、想い。アンバランスな中で、心の中で在り続ける感情。
────────"愛情"。
[湯船] アルティメットセンパイ : ヤバい!?ヤバい!?
[湯船] イザナ : 落ち着け、と言わんばかりにセンパイに頭に手を置く
[湯船] アルティメットセンパイ : と…とりあえず何か言わなきゃ…
[湯船] 小路綾 : 「……ちょっと、のぼせちゃいそうだから……その、上がっても……いいかしら」
[湯船] アルティメットセンパイ : え…えーと…
[湯船] 清水谷竜華 : 綾に抱く"可愛い"という感情は……。ウチは、これは……カラフルなスイーツを見た時に抱くソレとは、ワケが違うことを……前々から、感じ取っていた。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「そのつなぎ方…恋人繋ぎだよね…」
[湯船] 清水谷竜華 : 「……あ」
[湯船] 小路綾 : ぎゅう、と握りしめたまま。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「なーんて…へへ…」
[湯船] 清水谷竜華 : 「せ、せやな!うん、せやせや! ……え」
[湯船] 小路綾 : 「……こ」
[湯船] 清水谷竜華 : 「こ、恋人って……!! ……あ、あは、はは~~~……」
[湯船] 清水谷竜華 : 顔が、真っ赤になる。のぼせたように。
[湯船] 小路綾 : 「こっここ、ここここ!?!?!?」
[湯船] 清水谷竜華 : 「………ぁ」
[湯船] 清水谷竜華 : アカン。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あは、あは、あれ?」
[湯船] 清水谷竜華 : ぐらりと、体が揺れる。
[湯船] 小路綾 : 合わせたように、顔が真っ赤になっていく。
[湯船] イザナ : 「──!?」
[湯船] 小路綾 : 「……え、竜華…っ…!」
[湯船] 清水谷竜華 : 視界が、ぐんにゃりと、曲がる。平衡感覚が、分からんくなって────。
[湯船] イザナ : 「綾、抑えろ!!」
[湯船]
小路綾 :
ゆれた体を、支えるために。
咄嗟に体が飛び出していた。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「え?は?何~~~!?!?!?」
[湯船]
小路綾 :
「ん、っ……竜華、しっかり…!」
イザナへとこくこく、頷き返して。
[湯船]
清水谷竜華 :
「ぁ……」
……なん、や、ウ、チ……これ……ほんまに、のぼせ……た?
[湯船]
清水谷竜華 :
「……あ、や……」
焦点の合わない瞳で、小さな声で返事を。
[湯船] 小路綾 : 「…あ、っ…ダメよ竜華、意識を保って……!!」
[湯船]
イザナ :
「……湯当たりしたか、すまん長話をしたせいだな」
湯をかき分けて歩いて行く
[湯船] アルティメットセンパイ : 「えとえとえーとどうしよう…!」
[湯船] 小路綾 : 顔を覗き込み、必死に温泉から引きずり出す。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あわわわわ……」
[湯船]
清水谷竜華 :
………なんや……3つも年上っちゅーのに、ウチは……。
……なさ、け……あら……へん……。
[湯船] 清水谷竜華 : そのまま、綾に連れられていく────。
[湯船]
小路綾 :
…しっかりしなきゃ……、竜華のために…!!
私が今、頑張らないで…どうするの…!!
[湯船]
小路綾 :
引きあげ切り、そのまま。
肩を貸して、よいしょと立ち上がる。
[湯船]
イザナ :
「……一人でやるのも、なかなか手間だろう」
「手伝おうか?」
[湯船] 小路綾 : ……ああもう、今の小柄な私が憎いわ……!!
[湯船]
小路綾 :
「……ええ、おね……」
…言いかけて、止まる。
[湯船]
イザナ :
「……というか、手伝わせてくれ」
「長話でのぼせさせておいて、これではな……」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あわわわどどどどうしたらら」
[湯船]
小路綾 :
……この時、私が出ないでどうするの…
私が、頑張らないと……!
[湯船] アルティメットセンパイ : イザナに取り付いてあわあわしている。
[湯船] 小路綾 : 「……いえ、大丈夫!私一人でも、上がれるから」
[湯船] 小路綾 : にこり、と二人へと微笑み。
[湯船]
イザナ :
「……そうか、では私と先輩で飲料やタオルを用意する」
「引き上げるのは任せたぞ」
[湯船] 小路綾 : 「……ええ、私たちがお邪魔しちゃっただけだから、あんまり気にしないでね」
[湯船]
イザナ :
「行くぞ、センパイ」
「後輩の危機だ、シャッキリしろ!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「タタ、タオルは外にあるよ!飲料も飲み水のところや、自販機にあるから…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あるから…」
[湯船]
小路綾 :
ぽたり、ぽたりと湯の跡を残しながら。
湯舟から出て、外へと上がる。
[湯船]
清水谷竜華 :
ぁーーーー………今……ウチ………みんなの、迷惑に、なっとる……。
……ほんま、ほんま、もう…………。
[湯船]
小路綾 :
「…竜華、気にしなくていいからね」
ぼそり、とか細い声で。前だけ向いて。
[湯船] イザナ : 「……場所を知らないな、案内を頼む!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 行こうとするイザナの手を取るが、動かない。
[湯船] イザナ : 「……あー、センパイ?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あ…あたし…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「また間違えちゃった!?変なことやっちゃった!?」
[湯船] イザナ : 「………」
[湯船]
イザナ :
「いいや、……至極真っ当な反応だったな」
「普通の女の子の反応だ、おかしい所はどこにもない」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「うう…うう…」
[湯船]
イザナ :
「……どうしたの?」
「そんなに、怖かったの?」
切り替わる、そんな言葉で表せる様に、口調が変わる
[湯船] アルティメットセンパイ : 「なんか…また失敗したりさ…対応間違えたりしちゃったって思ったらさ…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「なんか…すごく寒くて…」
[湯船] イザナ : 「……大丈夫よ、貴女は場をとっても暖めてくれた、ワンパクだったけど、ユーモラスで面白かった」
[湯船]
イザナ :
「それに、貴女なりに竜華ちゃんを助けようとしてたじゃない」
「アレは人として正しい行いよ」
センパイの方へ歩み寄りながら、手を伸ばす
[湯船] アルティメットセンパイ : 「うぐ…うう…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あたしは…恥ずかしくて…」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「貝になりたい…」
[湯船]
イザナ :
「どうして?貝になったら貴女の可愛い顔が見えないわ」
「そんなの嫌よ……だから、そんなに悔やまないで」
手が届くくらいの近くに寄ると優しく肩に手を置く
[湯船] アルティメットセンパイ : 「やだ…見せたくない…」
[湯船] アルティメットセンパイ : そのまま、顔をイザナの首の下に置いて。
[湯船] アルティメットセンパイ : イヤイヤをする子供のように、擦り付ける。
[湯船]
イザナ :
「……そう、寂しいけど、仕方ないわね」
「じゃあ、こうして隠してあげるわ」
肩から背に手を回すと、自分の身体に押し付ける様に力を込めて抱きしめる
[湯船] アルティメットセンパイ : そのまま、顔を胸部にうずめる。
[湯船]
イザナ :
「……大丈夫、こうやって隠していれば、恥ずかしいなんて思わなくて済むわ」
「間違えた事をしても、誰にも見つからない」
小さな背中に回した右手を離して、頭を撫でる
[湯船] イザナ : 「だから、安心してね」
[湯船] アルティメットセンパイ : 体重を委ねる。
[湯船]
イザナ :
「……いいこ、いいこ」
体勢を変え、湯船に沈み込みながら赤子をあやす様に声をかける
[湯船]
イザナ :
「大丈夫、ここはあったかいから」
「寒がらないで済むわ、貴女から暖かさを奪う人なんて、ここにはいないから……」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「…ほんとう?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「おさななじみみたいに、とられちゃったりしない?」
[湯船]
イザナ :
「……ええ、大丈夫」
「アレは御伽噺だもの、本当に起こったりしないわ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「ならよかったあ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 胸の間で呼吸をする。
[湯船]
イザナ :
「……落ち着いたら、上がりましょうね」
「のぼせちゃうと。大変だから」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「…うん」
[湯船]
イザナ :
「……うん、いい子ね」
「えらい、えらい、後で、一緒にまた楽しみましょうね」背中を優しく叩きながら、柔らかな声で語りかける
[湯船] アルティメットセンパイ : 「うん…うん…」
[湯船] アルティメットセンパイ :
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あーよく入った!」
[湯船] イザナ : 「そうだな、ここまでの長風呂も久々だ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「…で、さっきの御伽噺って本当にあるの?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「作り話とかじゃなくて?」
[湯船] イザナ : 「一応は本当、この町で聞いた話なのもな」
[湯船]
明智小衣 :
「うぅ~っ……あっ、まだ誰かいるかしら? って……あっ、な、な~んだあんた達ね」
なぜか先客がいた事に安心しながら。話に遠慮なく割り込んで、いや割り込むどころかそれより横暴な感じで入ってくる。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「へえーそうなんだねえ…とと」
[湯船] イザナ : 「ああ、小衣。お前も来ていたか」
[湯船] 八重垣えりか : 「先にゆったり楽しんでたところを失礼するぜ」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あれ~来て大丈夫だったの!?」
[湯船] イザナ : 「ん……えりかもか」
[湯船] 明智小衣 : 「わ、わたしがこうやって押してこないと、ずぅっと本の虫だったろうから」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「へ~よくやるねえ」
[湯船] アルティメットセンパイ : ニヤニヤしながら
[湯船]
明智小衣 :
「あ、あはは……」
まぁいいわ、先客がいるなら気もまぎれる……これで一安心……
[湯船] 八重垣えりか : 「変態警官が私の裸をどうしても見たいって聞かなかったからな…」
[湯船] 明智小衣 : 「ちょっ……! ちちち、ちがぁ~うって!」
[湯船] イザナ : 「おうおう、随分じゃないか」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「じゃ、あたしたちはもう上がるから~あとは2人でごゆっくり~」
[湯船] 明智小衣 : 「へ?」
[湯船] 八重垣えりか : 「おっ、おい」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「いやもうずっと長いこと入ってんのよ」
[湯船]
イザナ :
「ああ、二人きりにしてやるよ」
「オススメはあの岩陰だ、入り口から死角になっている」
[湯船] 明智小衣 : 「えっ、あっ、そうなの、あ、あはは……あっ……まぁ夕食は先食べといて……」
[湯船] 明智小衣 : 「って、え? 何? それどういうこと!? どういうこと!?」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あんまり無理させちゃだめだよ~」
[湯船] イザナ : 「逢引きの為の場所のレクチャーだよ」
[湯船]
明智小衣 :
らしくない。小衣らしくない。ペース乱されっぱなし。
けれど……悪くないと思っちゃう自分もいて、きぃいい~~~!!
[湯船] イザナ : 「ではな、相手が動きづらいからと暴走するなよ」
[湯船] 八重垣えりか : 「いらない情報を教えるな……!」
[湯船]
明智小衣 :
「わ、わかったわよぉ!!!」
勢いでそう、返事を返す。
[湯船] アルティメットセンパイ : 「そういう趣味もあったりして…!?」
[湯船] イザナ : 「いい趣味だ、大事にしておけ」
[湯船] 明智小衣 : 「って、な、無いわよ! 『趣味なんか』じゃないから!」
[湯船] イザナ : 「……なんか、ではない」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「あ、イザナさあそういえばね御伽話のこと泉質の説明のところに書いてあったよ」
[湯船] 八重垣えりか : 「おい、それはそれで問題だぞ小衣」
[湯船] イザナ : 「ん、なんだ。また復活したのか?」
[湯船] イザナ : 「てっきり、また途絶えたのかと……」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「『この温泉に入ると恋が成就する』だって、ロマンチックだなあ…」
[湯船]
明智小衣 :
「なななな、なによ! 小衣はこの温泉、初めて来たのよ! あっ、わぁ~キレイな夜景ねぇ……へ?」
[湯船] 明智小衣 : 「…………」
[湯船] 明智小衣 : 「おらぁ~~~! お前ら二人! もう出てけ~~~!」
[湯船] アルティメットセンパイ : 「じゃあごゆっくり~」
[湯船] 明智小衣 : 顔を真っ赤にしながら、そう勢いよく怒り散らした。
[湯船] イザナ : 「ではな、おすすめはいちご牛乳だぞ」
[湯船] 八重垣えりか : 「あっこら本当に出ていったらこいつと二人きり……」
[湯船] 明智小衣 : 「…………」
[湯船] 明智小衣 : しまった。
[湯船] 明智小衣 : 「…………ほ、ほら、え、えりか……んん、八重垣」
[湯船] 明智小衣 : わたしは、えりかを湯船に浸からせようと、柔肌を直に感じながら……。
[湯船] 明智小衣 : ってダメダメ、そんな柔肌とか考えるな! わぁ~夜景がきれいだなぁ~……
[湯船]
八重垣えりか :
「今更改まるな……えりかでいい」
お湯の温度よりも密着する体の方にこそ熱さを感じながら
[湯船] 明智小衣 : 「…………よ、よいしょっ」
[湯船]
明智小衣 :
いつものわたしなら、もうちょい乱暴のはずなのに。
ゆっくりと浸からせる。
[湯船]
明智小衣 :
「…………えりか」
改まったのを訂正する。……ってこのタイミングで、訂正する!? わたし!
[湯船]
八重垣えりか :
「ふぅ……ありがとよ小衣」
またここで言い直すのかよ照れ臭い
[湯船]
明智小衣 :
わたしはえりかを、浸からせてそう呟いた後
すぐに距離を離していた。しかも目も合わせないようにしながら。
[湯船] 明智小衣 : 「…………ヤケイガキレイネー」
[湯船]
八重垣えりか :
「なんで棒読みなんだよ……あと露骨すぎるから普通にこっちこい」
手招きして隣に来ることを促す
[湯船]
明智小衣 :
「んっ……」
一瞥。そしてさらに二度見して。やっとその手招きを凝視できるようになった。
[湯船]
八重垣えりか :
「あとあれだ、夜景がきれいってのは……」
「月がきれいですねって言おうとしたのか」
月を見上げるように目をそらし、照れ隠しに頬を掻きながら
[湯船] 明智小衣 : 「月がきれい……って何?」
[湯船] 明智小衣 : わたしはきょとんとして、首をかしげていた。
[湯船] 明智小衣 : 「…………あんたの方が綺麗よ、月なんてめったに見ないし」
[湯船]
八重垣えりか :
「……夏目漱石の超意訳があってだな」
「あ~~~もう何でもない!無駄な深読みをしてあほらしくなってきた!」
湯船の中に頭を潜らせる
[湯船] 明智小衣 : 「あっ、なによ! それさっきのわたしとなんも変わらないでしょ! 逃げるなぁ~!」
[湯船] 明智小衣 : そのまま無理やり、えりかを自分と向き合わせようとする。なぜか、体が勝手に動いてた。
[湯船]
八重垣えりか :
「……まあ、その、なんだ、死んでもいいぜ」
お湯の中から引きずり出されて向き合わされ、それだけぽつりとつぶやいた
[湯船]
明智小衣 :
「……!? なんで死ぬのよ!」
わたしは、えりかの趣味からして何かの言い回しだとか、深い意味だとかあるのは察してたのに、死んでもいいぜ、なんて言われて何故かそれを否定するように。
[湯船] 明智小衣 : 深い意味があるはずなのに、上辺だけさらって……。
[湯船] 明智小衣 : 「……死んでもいいぜ、なんて言わないでよ、わたしはあんたがずうっと末永くしぶとく生きててほしいんだけど?」
[湯船]
八重垣えりか :
「もっと本を読め本を!!ハバード卒なんだろ!!」
「……私が言えるのはこれまでだ」
拗ねて顔をそむける
[湯船]
明智小衣 :
「何よぉお~~~! わたしを小馬鹿にしてんのぉ~~~! このぉお……」
わたしはのぼせてるのか、恥ずかしいのか、怒りなのか、とにかく顔が真っ赤でよくわからなくなってきた。
けれど、えりかが私に向けている感情と、私がえりかに向けている感情は、きっと同じだって事はわかってしまっていって、それがより浮彫になって、それで、それで
[湯船] 明智小衣 : もぉ~~~~~~!!!!
[湯船] 明智小衣 : 「えりか!」
[湯船] 明智小衣 : 「好きよ! これでいいでしょ!」
[湯船] 明智小衣 : あっさりと、それを口にしていた。
[湯船]
八重垣えりか :
「風情も何もないな!私もだよ!」
遠回しな告白に失敗してやけになって応える
[湯船] 明智小衣 : 「何よ! 風情がなくて何が悪いのよ! 好きな気持ちは変わらないでしょうが! ほら! 何度でも言ってやるわ!」
[湯船] 明智小衣 : 「好き!」
[湯船] 明智小衣 : 「好き! 好き! 好き!」
[湯船] 明智小衣 : 「好き好き好き好き好き!!!」
[湯船] 明智小衣 : 「これで十分!?」
[湯船] 明智小衣 : 数秒、間をおいて、わたしの顔がだんだんと火照っていくのは。自覚した。
[湯船]
八重垣えりか :
「そんな風になるならやるな!」
「あとその私も……いや、その、ツキガキレイデスネ」
[湯船]
明智小衣 :
「…………何よ! 好きって言うぐらいタダでしょうに誤魔化すなケチ!」
意味がわからないのでそう返して、わたしはぐいっとえりかをこちらに強引に引き寄せた。
[湯船] 明智小衣 : 「好きなら、やる事の一つや二つあるってのは知ってるわよ!」
[湯船]
明智小衣 :
柔肌の温度が、なぜか湯船に浸かっているのによく伝わって。
わたしは、そのまま目を閉じて。
[湯船] 明智小衣 : 「…………」
[湯船] 明智小衣 : 待ってみた。
[湯船]
八重垣えりか :
……ここまでやっておいて待ちの姿勢なのかこいつ
呆れ半分緊張半分にその肩に手を置いて……
[湯船] 明智小衣 : 「んっ」
[湯船] 明智小衣 : 肩に手を置かれた瞬間、つい声を漏らしながらも、ぐうっと目を閉じ続けて。
[湯船] 八重垣えりか : その声にびくっと体を震わせるが、怖気づきそうな体を奮い立たせて顔を近づけていく
[湯船] 明智小衣 : 心臓が早鐘を打つ。
[湯船] 明智小衣 : ……わたし、わたし。
[湯船] 明智小衣 : …………幸せ。
[湯船] 明智小衣 : 素直に心の中でぐらい、言ってやるわ。
[湯船] 八重垣えりか : 最後までこいつに振り回されっぱなしだったが
[湯船] 八重垣えりか : 最後の最後ぐらいは……
[湯船] 八重垣えりか : こわばる上半身と動かない上半身を奮い立たせて
[湯船] 八重垣えりか : 唇を
[湯船] 八重垣えりか : 重ねた
[湯船] 明智小衣 : …………
[湯船] 明智小衣 : 伝わってくる。
[湯船] 明智小衣 : 唇のやわらかな感触。そしてわたしの唇も柔らかいと感じているんだろうなと。
[湯船] 明智小衣 : ……蕩けていく。何もかも……。
[湯船] 明智小衣 : …………。
[湯船] 明智小衣 : ………。
[湯船] 明智小衣 : 「…………」
[湯船] 明智小衣 : 「んっ、んっ」
[湯船] 明智小衣 : 「ん~~~~~~~~!!!!!!」
[湯船]
明智小衣 :
「ぷはぁっ!長いわぁ!」
そこまで経ってないのに、すごく恥ずかしくなって。そう私はツッコんでた。本当、5秒以上経ったかぐらいなのに。
[湯船]
八重垣えりか :
「お、お前がなにも反応しないからどこでやめていいかわからなかったんだ!!!」
同じぐらいの大声で言い返す
[湯船] 明智小衣 : 「あーあーあーあー! 知らない知らない、この小衣の乙女心を考えろってのぉ~!」
[湯船] 八重垣えりか : 「散々人にセクハラしといて何が乙女心だエロ刑事!」
[湯船] 明智小衣 : 「何よ、こんの……この……えーっと……ロリコンえりかぁ! ……んー」
[湯船] 明智小衣 : しっくり来ないけど、まぁいいかぁと言わんばかりに笑みを浮かべる。
[湯船]
八重垣えりか :
「たかだか二歳しか違わないのにロリコンなわけがあるかよ!」
「……しかも勝手に幸せそうにしてやがるし」
[湯船] 明智小衣 : 「な、なによぉ……あんただってちょっと幸せそうだったじゃないのぉ」
[湯船]
八重垣えりか :
「……ノーコメント」
口を真一文字に結ぶ
[湯船]
明智小衣 :
「はぁ~、もう全く、アンタは本当……」
とつぶやくと、何故かすぐにあの、柔肌が恋しくなって。
[湯船] 明智小衣 : こっちからちょっと突き放したのに。
[湯船] 明智小衣 : ぎゅっ、と抱き着いていた。
[湯船] 明智小衣 : ダメだ。もうわたし……口だけはいくら叩けても。えりかの何もかもが恋しくなっちゃう。ちょっと離れたぐらいで。
[湯船] 明智小衣 : 「…………」
[湯船]
八重垣えりか :
「……!?」
どこに手を置いたもんか…!?肩か…!?
手は宙をさまよって、しばらくのちその背中に落ち着いた
[湯船]
明智小衣 :
「…………」
情けないなんて思わない。もう幸せで頭がいっぱいで。
[湯船] 明智小衣 : 「……飯」
[湯船]
明智小衣 :
「飯、そろそろ……行くわよ」
わたしの理性が、そう投げかけてくれた。
[湯船]
八重垣えりか :
「あ、ああ。そうだよな」
興奮でおかしなことをしてしまいそうなところにそのような言葉が振ってきて、半分感謝、半分残念
[湯船] 明智小衣 : 「……五年」
[湯船] 明智小衣 : そして同時に、わたしの理性を蝕む何かがそう
[湯船] 明智小衣 : 投げかけていた。
[湯船] 明智小衣 : 「この続きは、五年経ってから……それぐらいわかるわよね」
[湯船] 明智小衣 : 「…………もちろんここまでなら、いくらでもやって、いいけれ、ど」
[湯船]
八重垣えりか :
「……まるで私の方が我慢できないみたいに聞こえるんだが」
「お前こそ我慢できるんだろうな?」
挑戦的に聞き返す
[湯船]
明智小衣 :
「できるわよ」
「あんたは我慢できなくても、フッフッフッ多忙のわたしを追いかけられもしないし、普段のわたしですら捕まえられないでしょうが! あ~はっはっはっ!」
[湯船]
明智小衣 :
えりかを湯船からゆっくり、優しく
上がらせながら、そう高笑いする。
[湯船]
八重垣えりか :
「どうだかな?」
「……むしろそんな奴に迫られた時こそ私が逃げられないような気がするが」
口にして、想像して、自分で赤くなる
[湯船]
明智小衣 :
「…………ふんっ」
「わたしは警察よ、警察…………守るわよそれぐらいの一線は」
[湯船]
明智小衣 :
てきぱきと、えりかの身体を拭いて……車椅子にゆっくりといったん座らせようとしながら。
[湯船] 明智小衣 : わたしはそう呟いた。
[湯船]
八重垣えりか :
「そりゃありがたいね」
「見ての通り繊細にして脆弱なんだなんだ。せいぜい大事にしてくれよ、小衣」
いつもの調子を取り戻そうとするようにその瞳を覗き込んでそういった
[湯船]
明智小衣 :
「んっ…………ふんっ、大事にしてやるわよ……」
瞳を覗き込んできた、えりかの思惑を察しながらも。わたしはそうぼそっと呟いて。
「っしゃあ! 終わり! あとは服着て、飯行くわよぉ!!!!」
それに遅れてこたえてやった。
[湯船]
八重垣えりか :
「わかったわかった。……まったく終わったら切り替えの早い」
そう言って上の服は自分で着替え大人しく車椅子で押されていった
[湯船]
明智小衣 :
「…………フフッ」
間違いない。今日は最高の日だ。そしてこれからずうっと……
[湯船] 明智小衣 :
[湯船] 明智小衣 :
[湯船] 千代田桃 : ……
[湯船] 千代田桃 : 脱衣所で衣服を全てはだけさせ、一糸纏わぬ姿で戸を開く。
[湯船] 千代田桃 : (……知ってる人は誰も居ないかな。)
[湯船] 千代田桃 : ……下腹部に走る傷痕の指をなぞる。
[湯船] 千代田桃 : その後、ゆったりと身体の汚れを落とし……
[湯船] 千代田桃 : (……折角だから、最初から内湯じゃなくて外湯にしようかな)
[湯船]
千代田桃 :
外へ出ると、得も言えぬ開放感が走る。
夜の山間は冷たく、私の肌を容赦なく突き刺す。
[湯船] 千代田桃 : 「……早く入ろう」
[湯船] 千代田桃 : つま先からゆっくりと湯船に足を伸ばしていき……肩まで沈める。
[湯船] 千代田桃 : 「はぁ……」
[湯船]
千代田桃 :
思わず、ため息が出るような心地良さだ。
全身を湯にマッサージされているかのような、今日までの疲れを癒やしてくれるような……
[湯船] 千代田桃 : 湯船を手で掬い、「パシャン!」と顔に当てる。
[湯船] 千代田桃 : 「…………」
[湯船] 千代田桃 : 今日一日、誰かと旅行をして他愛もない話をする……
[湯船] 千代田桃 : 悪くはない。誰かが近くに居るというのは嫌いではない。……その感覚を知っているからだろうか。
[湯船] 千代田桃 : だけど、やっぱり今の私は……
[湯船] 千代田桃 : 辺りは、何処までも静かだった。
[湯船] 千代田桃 :
[湯船] ヒルデ : 「……失礼させてもらうぞ」
[湯船]
ヒルデ :
まずは身体の汚れを落とし…少し寝てしまったからな、汗もかいたようだ…
シャンプーは…ここ特注と言うのでもなさそうだ
[湯船]
ヒルデ :
身体を清めた後はやる事といえば湯船に浸かる事だな。
脚から入って行く…やはり温泉はいい。
[湯船] ヒルデ : 「ふぅ…日々も疲れが消える様だ。」
[湯船]
ヒルデ :
さて…どうしたものか…
このまま私の身に何も無ければ問題は無いという事で良しと言ったところだが。
…?先客は居なくなってしまった様だな。
[湯船] ヒルデ : 「1人はいい…ゆっくりできる。」
[湯船]
ヒルデ :
そろそろ身体も冷える頃合いだな。上がるにしよう。
…やはりアイツらも誘えばよかった。今頃になって後悔するとはな。